■賓日館■
昨日は式年遷宮について書きました。その中で、遷宮の度に社だけでなく神宝も新たに作られることを記しました。今日はその神宝について調べていきます。
【御装束神宝の種類】
神宮の宝物は「御装束神宝」おんしょうぞくしんぽう と呼ばれています。この宝物類は遷宮の度に両正宮と14の別宮に奉献され、すべて合わせるとなんと714種類、1576点もあるそうです。この御装束神宝は1500人以上の職人がその調整にあたりますが、たった2名で作業を行う部署から500人もの職人を抱える部署まで主に10種類に分けることができます。
1500点以上の御装束神宝のうち、装束類は1085点あり、殿舎鋪設具、神座鋪設具、服飾具・容飾具、遷御の威儀具の4種類、神宝は491点あり、紡織具、武具、馬具、楽器、文具、日常具の6種類に分けられます。これらの御装束神宝は金工、木工、漆工、染織の4つのほか、鍛造などの技術が使われており、細分化すると81種類の技術分野に分けることができますが、どの御装束神宝も単独の技術分野では作り上げることができません。
【遷宮後の行方】
神々に奉られた御装束神宝は20年経って撤下されたあとは人目に触れないよう焼却され、土中に埋められてきたそうです。明治時代1909年に神前に奉られた御装束神宝からは撤下された後もすべて保存されるようになり、次の遷宮の際に寸法や彩色などの確認がされるようになったとのことです。また、現在では遷宮後、以前の御装束神宝は全国の神社に撤下されているようです。もしかしたら皆さんの近所の神社にも神宮の御装束神宝が撤下されているかもしれませんね。