桔梗屋 御朱印の旅

神社ばかりお参りしてまわっております。戴いた御朱印が多くなってきたので、管理がてら公開します。御朱印以外の話も多いかも

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【神宮月間】天照大御神の神話

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           ■おはらい町 奥野家 伊勢うどん


急に涼しくなったので風邪を引いてしまいました;体調が悪いので今日も簡単な記事を書きます。

前回、豊受大神がどんな神様か知るために『古事記』を読みました。せっかくなのでそのまま天照大神についても調べることにしました。

天照大御神天照大神、たくさん呼び名がある神様ですが、神宮では正式には「天照皇大神あまてらすすめおおかみ」と呼ぶのが正式のようです。

古事記

(誕生)

親は父のみ。世界で初の夫婦神、イザナギイザナミイザナミの死によって別離します。イザナミが死んだことを悲しんだイザナギは妻を追って黄泉の国へ行くのですが、そこでひどい目にあい地上に逃げ帰ります。黄泉の国で穢れたとして、海で人類初となる禊をします。左目を洗うと「天照大御神」、右目を洗うと月読命、鼻を洗うと速須佐之男命が生まれました。この三神は非常に優れた神だったのでイザナギは喜びそれぞれに治めるべき場所を与えました。天照大御神は高天の原を与えられます。

(天の岩戸)

ある時乱暴な末っ子のスサノオがアマテラスを訪ねて高天の原にやってきました。これを侵略と誤解したアマテラスは戦支度で弟を迎えます。スサノオは自分が侵略者でないことを証明し、誤解は解けますが調子に乗って暴れまくります。アマテラスはこれを嫌がり岩戸にこもり、世界は暗黒に包まれてしまいます。オモイカネの神をはじめ多くの神がアマテラスを岩戸から連れ戻そうと策をねります。力持ちの神を出入口に潜ませ、岩戸の前でアメノウズメが踊って大騒ぎをしました。世界が暗くなっているにもかかわらず、楽しそうな物音が聞こえることを不思議に思ったアマテラスは岩戸から顔を出し、鏡に映った自分を別の神だと思ってよく見ようと身を乗り出したところを力持ちの神に引きずり出されてしまい、世界に再び光が戻ったのです。

 

天照大神が活躍する場面はこの部分と、天孫降臨のあたりでしょうか。誕生から天の岩戸の物語までが天照大神の性格を知る上でもっとも重要な部分だと思います。

一般的に天照大神のイメージはどのようなものでしょうか。私は「太陽・弟に振り回される姉・最も優れた神」というイメージが浮かびます。

ところが、これらのイメージのようなことは古事記には全く書いてありません。天照が誕生する場面も「左の御目を洗ひたまふ時に成りませる神の名は天照大御神」とあり、そのすぐあとに同じ調子で月読と須佐之男の誕生が書かれ、締めにイザナギが「吾は子を生み生みて、生みの果てに、三柱の貴子を得たり」と三神まとめて褒めるだけです。では私の天照大神のイメージはどこからきたのでしょう?『日本書紀』をみると次のような部分があります。イザナギイザナミの国生みの場面です。「共に日の神を生みまつります。大日孁貴(おおひるめのむち)と号す。・・・一書に云はく、天照大神という。一書に云はく、天照大日孁尊といふ。この子、光華明彩しくして、六合の内に照り徹る・・・」以下イザナギイザナミが喜んでこんな子初めてだと天照をほめちぎる場面。ここには天照大神が日の神であること、最も優れた神であることが書かれています。私の思う天照大神のイメージは日本書紀のものだったんですね。ところで、この日本書紀古事記より成立が新しく、また当時の国際情勢に合わせて海外諸国(主に中国)に見せるために書かれた歴史書だと言われています。ですので古事記とは異なる部分がいくつかあります。例えば三貴神イザナギイザナミが夫婦で生んでいること。しかもわざわざ「共に」日の神を生む。と強調してあります。国内では父の目や鼻から生まれるという、精霊的な誕生が受け入れられたかもしれませんが、紀元前から儒教道教など独自哲学的思想を持っていた古代中国では生物的な誕生の仕方をしていないものは受け入れられなかったのかもしれません。

さて、天照大神がどんな神様なのか大体わかったところで、次回は内宮の社とご祭神について書いていこうと思います。