桔梗屋 御朱印の旅

神社ばかりお参りしてまわっております。戴いた御朱印が多くなってきたので、管理がてら公開します。御朱印以外の話も多いかも

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神楽を上げる前に知っておきたいこと【神宮月間】

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             ■外宮 勾玉池の舞台■


初めて内宮で神楽を奉納した時は、何を歌っているのか、どんな意味があるのか解らず足のしびれを気にしながらぼーっと見ていただけでした。舞の内容が分かっていればもっと楽しめたかな?と思います。

そこで、今日は御神楽ってなに?どんなことやるの?と言う話を書いていきます。

【神楽の起源】

新明解国語辞典』によると神楽(かぐら)は「神前で奏する舞楽」だそうです。

御神楽が終わった後にいただける撤饌の中には「大々御神楽」というパンフレットが入っており、

❝古くは神遊びともいい、その起源は天照大神様が天石窟(あめのいわや)にお籠りになった故事(こじ)に始るといわれています。❞

と書かれています。比較的有名な神話ではありますが、天石窟の故事を確認してみましょう。簡単なあらすじは以下のような感じです。

傍若無人な弟の須佐之男命が暴れまわるのを憂いて天照大神が天上の国の岩窟にこもったため、世界が真っ暗になってしまった。頭のいい思金神は天照大神を再び地上に戻す策略を立てる。長鳴鳥を集めたり、岩窟の前に桶でステージを作って天宇受売命にその上で躍らせ、神々がどんちゃん騒ぎをした。あまりのにぎやかさに不思議に思った天照大神岩窟の隙間から覗いたところをマッチョな天手力男神に引きずり出され、再び世に光が戻った。という話です。

この天宇受売命が踊り狂ったのが神楽の始まりというわけです。

【神宮の神楽】

神宮の神楽では左右に分かれた神職が笏拍子、太鼓、笙、篳篥などの楽を奏で、歌を歌います。しかしこの歌、「あ~あぁぁああ↗ええぇぇぇえ↗えぇぇ↘」みたいな母音をひたすら伸ばしているだけのように聞こえます;素人の私には何を言っているのか全く分かりません。

パンフレット「大々御神楽」の中には神楽の由来や歌詞が書かれていてとても分かりやすいのですが、こちらは終わってからでないといただけません。事前に歌の内容や舞の意味が分かっていたほうが、より一層楽しめると思いますので以下にまとめてみます。

【倭舞(やまとまい)】

倭舞は古くから伝わる舞で、かつては男子の4人舞でした。明治に入ると少女舞にあらためられました。また、歌詞は神宮に古くから伝わるもののようです。

神宮では4人の舞女で舞われます。衣装は模様のない真っ白な千早に緋色の長袴。頭に紅梅を飾って、手には緑、黄色、赤、白、紫5色の絹がついた榊を持って舞います。長袴というのは東山の金さんがはいているみたいな、袴を踏んづけ、裾を引きずって歩くものです。

歌:「みやびとの させる榊を われさして よろづよまでに かなで遊ばむ」

この歌は三十一文字で和歌の形になっています。どういう意味でしょう?

神仕えの人がさす榊をさして、いつまでも楽をかなでて遊ぼう という感じでしょうか。

「さす」は元の文章が平仮名でしたが、髪に挿すと言う意味ですかね?

この舞は全ての御神楽で奉奠されます。

 【人長舞(にんじょうまい)】

人長舞の名前の由来は、神楽「」の長」がうためだそうです。

宮中でも舞われていた「其駒」(そのこま)という曲で舞います。

衣装は、葦と千鳥を青摺りにした小忌衣(おみごろも)、手に鏡を模した白い輪をつけた榊を持ち、腰には太刀を佩きます。

小忌衣は、緑の草と鳥の模様がついた裾がめっちゃ長い白い狩衣のようなものをイメージしていただければ大体の形はわかると思います。

歌:「そのこまぞや われにわれに 草こふ 草はとりかはん みづはとり 草はとりかはん 」

こちらは7・5調とか丸無視ですね(笑)なぜかパンフレットにその駒だけ歌詞の意味がついていましたので引用します。

「わが愛する駒が我に草を乞う、その可憐さよ、早速草葉を取ってき来て飼おう、みずみずしい草葉を取って来てわが駒に与えよう」ということらしいです。駒=馬です。

こちらは大々神楽以上の奉納で拝観できます。日本で作られたこれらの歌舞は国風歌舞(くにぶりのうたまい)と呼ばれます。

文章だけだとイメージがしにくいと思いますが、神宮のホームページをご覧いただくと実際に奏される歌舞の様子が掲載されています。
この二種類の舞いについては対照的な部分があります。倭舞は複数女性が、人長舞は単独男性が舞うのもそうですが、パンフレットによると倭舞は現代的な華やかさ、人長舞は上代的な幽雅さがあるとのことです。

舞楽についてはまったく書かれていないので、その都度演目が変わると見ています。大陸から渡った舞ですので、きらびやかな面や衣装を付け、ピョンピョン跳び跳ねたり、徐々に舞も楽も早くなったり国風歌舞とは大分違います。舞楽は別大々神楽で1曲、特別大々神楽で2曲舞われます。

また今度神宮で神楽を奉納する機会に恵まれそうなので、また分かったことがあったら随時記載していきます。

 

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